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ターボ・ジェット・ファイア


自分は毎朝、大学の講義が始まる一時間ほど前に学校へ行き、ホールで読売新聞を読むのを日課としています。

新聞には実に色々なことが載っていて、大変おもしろいです。

今日はこんなものを発見しました。

ターボ・ジェット・ファイア_b0180288_2122458.jpg


なんとエキセントリックなものを読売新聞は紹介しているのでしょうか。
「雑草も害虫も根こそぎ焼き尽くす。」
ただならぬ文句です。

想像してみてください。

ここにイモムシの親子が2匹、仲良く食事をしておられます。

「お父さん。今日もタンポポがおいしいね。」
「おまえは本当にタンポポがすきだなぁ。それ。お父さんの分もあげよう。たんとお食べ。」
「わーい。あははは。ありがとう。お父さん。」
「たくさん食べて大きくなるんだぞ。」

そんな時、ターボ・ジェット・ファイアを小脇に抱えた(人間の)お姉さんが現れるのです。
口元に不気味な笑みを浮かべて。

「忌々しい雑草・害虫どもめ。根こそぎ焼き尽くしてやるわ。おほほほほ。」

お姉さんはターボ・ジェット・ファイアのボタンに指を伸ばします。
特許中空気化方式だから火力は強力です。

「お父さん。熱いよぅ。熱いよぅ。」
「エリック(息子の名前)。エリーーーック。」
「おとうさぁぁぁん。」

先ほどののどかな親子の団欒はどこへやら。
平穏なタンポポ畑は一瞬にして灼熱地獄へと変り果てます。


…芥川の地獄変よりも恐ろしいお話ではないですか。
ぷるぷるします。

あどけない笑顔が可愛いエリック。
自分の黄色い触角をぴくぴくさせて遊んでいたエリック。
触られるとお尻をぴくぴくさせてくすぐったがっていたエリック。
息子想いのやさしいジャムおじさんみたいなお父さん。

2人のことを思うと、物理の講義も頭に入りませんでした。

2人の命を返してください。
by kobaso | 2009-05-11 21:44 | 退屈小話
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