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表浜エクスカーション&シンポジウム

 こんばんは。kobasoです。
 先週の土日は、海洋保全(おもに砂浜)に関するエクスカーション及びシンポジウムに参加するため、
愛知県豊橋市の表浜へ行っておりました。
 
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土曜日は、山の上や海の上から表浜を眺めたり、漁協に立ち寄ってお話を伺ったり、懇親会でわーわーしたりして、

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日曜日はシンポジウムでお話をふむふむ聞いていました。


 表浜は、50kmほど続く長い長い砂浜で、アカウミガメの産卵地としても有名です。
また、近年の護岸ブロックの設置による海岸浸食の状態がわかりやすい土地でもあります。
 表浜には、表浜ネットワークという市民団体が存在し、それなりにうまく機能しているようで、海辺の保全活動が盛んに行われています。
 表浜ネットワークさんには、私を含めかめ研一同も何度かお世話になっております。

 今回の催しは、海洋保全に関するものでしたので、うみがめが主ではなかったのですが、
それでも面白いお話をたくさん聞くことができました。
 ただ、少し考えさせられるところもあり、そのひとつが漁業関係者の方がこのシンポジウムに参加されなかった(呼ばれなかった?)ことです。
海岸浸食の原因の一つには、護岸構造物があります。
護岸構造物は、産卵のために上がってきたウミガメや、生まれたばかりの稚ガメにも障害物となり、
問題点があるものとされています。
ただ、その構造物も無意味にそこにあるわけではなくて、
漁港の保護や、漁業関係者の労働環境改善のために作られたものもあります。
近年、後継者不足や不漁に悩まされる漁業者にとって、それはなくてはならないものであるかもしれません。
自分たちの生活と、砂浜の保全、どちらをとるかと言われれば、
おそらくたいていの人は自分たちの生活を優先します。
しかしながら、海岸浸食の問題の場合には、
自分たちの生活を優先した結果、結局は自分たちの生活が悪化してしまうという悲劇もあり、
なかなか難しい問題をはらんでいます。
近年の研究により、砂浜への影響を考慮した護岸構造物も開発されているようですが、
それを漁業者の方々に浸透しているのかどうかは疑問です。
また、海洋保全に関する問題を、漁業者の方々が把握しておられるかどうか、
今何が起こっているのかはわかっていても、
なぜ起こっているのか、
これからどうしていけばよいのか、
わかっておられない漁業者の方々は結構多いのではないのでしょうか(これは今回のシンポジウムでも述べられていました)。
 これからどうしていけばよいのかというのは、おそらく研究者にとっても不明なところが多いかもしれませんが、
不明であるからこそ、そういった漁業者の方、もしくは行政の方と話し合う機会が設けられてもよいのではないかなと思います。

 「保全」とか「保護」といったものはややこしいうえに面倒くさく胡散臭いもので、
政治が絡んでくると、なおさらのこと、よくわからなくなってきてしまいます。
たとえば、近年の「エコブーム」を考えてみても、
政府もメディアもなんでもかんでも「エコエコ」と言って、いい面をしていますが、
本当にそれが良いことなのかどうかは判然としません。
なんとなく、「エコ」は利益を生むブラックな「道具」として使われている気もします。
 そもそも、「保全」とか、「保護」とか、そういったものの根本的な意味・意義を考えている人はこの世界にどのくらいいるのでしょうか。
 その意味を考えずに、やれ保全だの、やれ保護だのと言っているから、
シーシェパードがやっているような「歪んだ保護」が行われ、
それが平然と支持されてしまうのではないでしょうか。

 話が紆余曲折してしまいました。すみません。
いつものことですが、今回のシンポジウムで一番に感じたことは、
もう少し勉強しようということでした(笑
海について勉強して1年目、
いまだに何も知らずわからずの自分がいます…笑
by kobaso | 2010-01-19 00:01 | 大学小話
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