生物実験Ⅱ 第二回 シナハマグリ 

最近更新が滞っています。が、kobasoはつつがなく暮らしております。
暑くなってきましたね、こんばんは。てんやわんやkobasoです。

さ、今日は先週のアオゴカイに引き続きシナハマグリのレポートです。
シナハマグリ(Meretrix lamarckil
軟体動物門 二枚貝綱 マルスダレガイ科

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おいしそうなハマグリ。

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殻をあけてもおいしそうなハマグリ。

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Fig.1 左殻表面

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Fig.2 左殻内面

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Fig.3 左殻及び左殻外套膜を除いた体の全形

市場でよくみられるハマグリは、「ハマグリ」ではなく、「シナハマグリ」です。
潮干狩り等でもよくこのシナハマグリが撒かれているため、在来種のハマグリの減少と、雑種による遺伝子撹乱が問題になっています。ハマグリもシナハマグリもどっちもおいしいです(笑

生物のことを学んでいない人にとって、貝って、よく知っているようで実はよく知らない生き物だと思います。
塾の生徒に、「なにか海の生き物でおもしろいこと話して。」と言われた場合、たいてい僕は貝かウミガメのことを話します。たいしたことを知っているわけではないのですが、それでも知らない人にとっては結構な衝撃を与えられる生き物だったりします。

って話そうと思ったんですが、ここ海洋大生も見ているわけで、なんか怖いですね(笑
変なこと言ってたらすぐ訂正してください(・ω・)

例えば、ハマグリに足があることを知っていますか?足、あるんですよ。
しかも結構大きな足が。貝殻の、パカパカなる側(三角形の底辺のほう)から、斧のような形をした足をにょきにょきとだして、歩くんです。

貝殻を開けて、外套膜という薄い膜を外すと(Fig.3)大きな2枚の鰓があります。ハマグリのような二枚貝は、出水管と入水管というふたつの管を持っています。入水管からいろんな懸濁物を含んだ水を吸って、鰓で濾しとって餌を食べます。口は貝の中にあって、口の近くには唇弁があります。唇弁を唇として見ると、ハマグリがとても奇怪な生き物に見えるんですよう。Fig.3を凝視してみてください。唇弁、唇だと思ってみてください。貝殻の中に、なんかすごく変な生き物が棲んでいるように思えてきませんか。

あと、おつまみとして親しまれているホタテのヒモ(ホタテの身の周りに着いているヒダヒダの部分)に、小さいブツブツがついてますよね。あれ、何だと思いますか?
実はあれ、全部「目」なんですよう。
ますます貝のこと、「なんじゃこいつは」って思ってしまいますよね。

この実験で初めて知ったんですが、心室を腸が通っていたりもするんですよ。心臓に、腸が、です。なんじゃこいつは。

貝は、ちょっと貝殻を見てみても面白いんです。
例えば、貝殻に凸凹としたスジがありますよね。これは成長線と言われるもので、木の年輪のようにこれで年齢を知ることができます。貝殻は、殻頂(三角形のてっぺんの部分)から腹縁(三角形の底辺の部分)にいくにつれ新しいものになっていきます。
また、砂浜を歩いていて、貝殻に小さな穴があいているものを見たことがありませんか。
あれは、その貝が何者かに食べられた跡です。殻頂あたりに1つの小さな穴があいている場合は、肉食性の貝であるツメタガイに襲われた証拠です。貝柱のあるあたりに2つの穴があいている場合は、タコに襲われた証拠です。
砂浜を歩いていて先輩にこのことを教えられた時、なんとなく嬉しくなって砂浜の貝殻をひたすら拾って、この貝はどういう死に方をしたのか考えたりしました。そんな時期もありました(遠い目)。

また話は変わりますが、「ぐれる」って言葉ありますよね。
あれ、「ハマグリ」が語源らしいんです。貝合わせという遊びがあるように、貝の貝殻は同じ個体の貝殻でないとピタッとはまりません。その、貝殻がピタッと合わないことを、「はまぐり」を逆にした「ぐりはま」と言ったんだそうです。それが食い違って合わないことを意味するようになり、「ぐれはま」に変化し、いつの間にやら「ぐれ」と省略されました。こうして「ぐれる」という言葉が完成したそうです。
「ぐりはま」って「ざきやま」みたいです。ちょっと信じられないです(笑

貝って面白いですね。
貝って面白いんです。でも、実験はちょっと過酷でした。13時に始まり、20時30分に終わりました。
何にそんな時間がかかったかというと、消化管ほじほじ作業です。
上でスケッチ3枚並べましたが、実はもう1枚書かなければならなかったんです。消化管のスケッチを。
貝の消化管は、肉に癒着していて、解剖しにくいんです。少しずつ少しずつ、顕微鏡の下でピンセットを使いながら肉を削いでいくわけですが、こうね、気を抜いた瞬間、肉と一緒に消化管もプチっとやってしまいまして。
結局3匹のハマグリを犠牲にして、とうとうスケッチを書く段階にまで至りませんでした。
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解剖途中のハマグリさん。

やー、これからはもっと丁寧にハマグリ食べることにします。

次回、エゾバイ(また貝)です。
by kobaso | 2011-04-29 00:45 | 生物小話
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