マチルダの小さな宇宙

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マチルダの小さな宇宙/ヴィクター・ロダート 駒月雅子訳/早川書房

「ぐれたい。悪いことを片っ端からやりたい。毎日がだるくて、つまんなくて、うんざりなんだもん。」

読んでいて、なんとなくサリンジャーの「ライ麦畑で捕まえて」が頭をよぎる作品。
女の人の思春期がどういうものなのかはよく知らないけれど、思春期特有の、想いが暴走して自分で抑えられなくなってしまうような感覚を思い出します。

「不幸」はだいたいにおいて、自分の思い込みから来るものが多い気がします。罪悪感も劣等感も、その他もろもろのマイナス感情も、ほんとうはそんなに抱え込まなくてもいいものなのに、勝手に抱え込んで、しかもそれを大きく成長させてしまう。気分は落ち込むし、そういうマイナス感情で安定してしまうと、いつの間にかいつもマイナスなものを抱えようとしてしまう。
自ら進んでマイナスなものを見つけ、吸収していく。そして苦しくなる。

マチルダがそういった負のスパイラルから抜けられたのか、僕には結局わかりませんでした。
負の感情を抱え込まない人に、人の痛みはわからない。
けれど、負の感情の捨て方を知らない人に、幸せの与え方はわからない。
これから10年後のマチルダのお話を、僕は読みたいと思いました。
by kobaso | 2014-06-28 22:55 | 読書小話
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