短歌と言えば短歌

蟻地獄の罠にかかる蟻は月に一匹らしい可哀想と君は言う。蟻が?蟻地獄が?



カレーの味ってその人の家庭が見えるよねと語る人のスプーンの上にはボンカレー



たらこ唇の人が死に瀕しているのを見てふと「これはナマコ唇だ」と思った罪で無期懲役



宇宙空間を英訳したらスペーススペースになるのかな?って君が聞く放課後



手紙を待ってもこないからきっとあの人はヤギ 白いヤギ



ことば遣いが汚い人は嫌いだと言うひとが放つ「おまえ」



朝目覚めたら虫になっていた 名前はまだない



息を吐けばしゅるしゅるとしぼむことのできる風船へのあこがれ



ひとり相撲の力士が土俵の中で踊っている 誰かが座布団を投げた



人の表情を見たくないときは皮の下の骨を想像しなさいと医者が言う



女子力たずねて三千里 ついに見つけたグルコサミン



壊れたアイボがごみ埋め立て場で目を覚ます ひとり



あんたは私の脇から産まれたのよと言って育てられたのが仏です

by kobaso | 2015-11-23 22:00 | 退屈小話
<< コドモノセカイ いつも同じ話 >>