カテゴリ:生物小話( 13 )

かめのおはなし

先日のミシシッピニオイガメ、名前が決定しました。
その名も
b0180288_20125113.jpg

「ぽっけ・ソプラトット」
です。「あろま」「臭次」「かめきち」なども候補にあがりましたが、なんかかわいいし、知的っぽい(ソプラトットの意味はわからない)ので、この名前になりました。
たくさんのアイディアをありがとうございました。

かめと僕は、なんだかんだで縁があるようで、
祖父母の話だと、小さい頃「お寺にいったら、池の亀に釘付けになってずっと動かなかった」り、大学ではウミガメを研究するサークルに入ったりしました。
保育園~小学生の頃にもクサガメを2匹飼っていました。不注意で2匹とも脱走してしまったけれど(ごめんなさい)。
けれど、別にかめが大好きというわけではありません。自然とかめのそばに寄って行ってしまう。不思議です。

さて、2年ほど前までは、前述した通りかめを研究するサークルで、「会長」という肩書きだけは水戸黄門みたいなことをやっていたので、かめについてあることないこと勝手に言えなかったのですが、もういいでしょう。
たとえこのブログがなにかの間違いでカメ界のお偉いさんに見られて苦情をうけたとしても、それを処理できるだけの立派な後輩たちが育ちましたから(責任転嫁)。


世の男性にもタイプがあるように、カメにも肉食系と草食系の2つがあるように思います。
ウミガメで言うなら、アカウミガメは肉食系でアオウミガメは草食系。淡水ガメで言うなら、ワニガメやミドリガメは肉食系で、ハコガメやイシガメは草食系。
僕は断然草食系が好きです。というより、肉食系は嫌いです。
肉食系ガメのあの頭。なんであんなにでかくなってしまったのか。もはや二頭身か!といいたくなるようなやつもいます。
ニオイガメも頭の大きくなる肉食系なのですが、幸いぽっけのミシシッピニオイガメはニオイガメのなかでも頭の大きくならない草食系です。

ちなみに、頭の大きさで肉食系か草食系かをざっくりわけましたが、本当の食性も頭の大きさで判断して、あながち間違いではありません。大きな頭は、硬い殻などを噛み砕くための顎が発達した結果ゆえだと言われています。ただ、そうは言ってもほとんどのカメは雑食性です。あんなに厳ついワニガメですら、時期によっては草食性が強くなります。
カメの食性について考えていて疑問に感じることがあります。それは「カメはどうやって食べ物を認識するか」ということです。これは、大学のサークルの中でも何度か議論されました。
爬虫類なので、嗅覚が強いようにも感じますが、僕はむしろ視覚によって認識する部分が大きいのではないかと思っています。
ぽっけを見ていても、餌をやってからしばらくして、目で餌を確認してから摂餌行動をとり、餌を見失うと見当違いの方向に泳いだりします。
ウミガメにしても、ビニル袋などの誤食は視覚で判断しているからこそおこるのだと思います。もちろん、誤食問題は、カメの好奇心旺盛さからくるものも大きいとは思います。ビニル袋を「クラゲと間違えて食べる」のではなく、「口に入るものなのでとりあえず食べてみる」。現に、アカウミガメのお腹の中からはビニル袋だけでなく、石や流木、鳥の羽なども出てきます。
なにはともあれ、カメを観察していると「鼻きくなあ。こいつ。」と思うことはほとんどありません。
カメの食べ物認識に関する学術的な文献、ないかな。

b0180288_20593688.jpg

そんなことどうでもいいから餌くれ~。
by kobaso | 2013-09-22 20:11 | 生物小話

生物実験Ⅱ 第六回 ミネフジツボ

こんばんは。今日もまた生物実験についてです。
先週のウニは各方面の友人から「気持ち悪い」と大反響でした。
いつまでもトップにその「気持ち悪い」ウニをあげておくのもなんだと思うので、
フジツボをトップにあげようと思います。状況変わりませんか。そうですか。すみません(笑

ミネフジツボ Balanus rostratus
顎脚綱 無柄目 フジツボ科

b0180288_2375486.jpg

フジツボの外形

b0180288_238488.jpg

fig.1 殻板模式図

b0180288_2382976.jpg

fig.2 殻内軟体部

b0180288_239270.jpg

fig.3 蔓脚

このミネフジツボ、食用として養殖され、販売されているものです。
フジツボ食べるってこの大学入って初めて知って驚いたのですが、常識なんですかね。
あと、この大学入ってから初めて知ったのですが、フジツボってエビやカニと同じ節足動物で甲殻類って常識なんですかね。貝の仲間じゃないんですよね。変な奴です。
そしてフジツボの殻を割って内部をまじまじと見つめてスケッチするなんて変な実験です(笑

フジツボは雌雄同体で、隣の個体に生殖器を伸ばして受精し、繁殖します。
蔓脚を伸ばして、懸濁物を摂餌します。
触角からセメント物質を分泌します。
フジツボの仲間には、ウミガメやクジラにだけつくフジツボ(カメフジツボとか)も存在します。
自分にとっては、フジツボというとカメフジツボのほうが何となくなじみがあります。
どのようにしてその種の動物だけに着くのか、未だにわかっていません。
また、カメフジツボでは、ウミガメの骨に穴があくほどその個体の奥までがっちりと接着している場合があります。
変な奴です。
幼生期から基質に接着してからは全くその場所を動かないという、戦略をとった生き物です。
他の生物に捕食される場合ってあるのかな。あまり聞かないな。
変な奴です。

おわり。
次回からは魚類実験です。
by kobaso | 2011-06-07 23:23 | 生物小話

生物実験Ⅱ 第五回 ムラサキウニ

えー。久しぶりの実験内容更新です。
はい、第二回から第五回に飛んでいます。はい。間にエゾバイとスルメイカがあります。
また、時間があるときにゆっくり更新していこうと思います。

さて、というわけで今日はムラサキウニの解剖スケッチを行いました。
ムラサキウニ(Anthocidaris crassispina)
棘皮動物門 ウニ綱 ナガウニ科

b0180288_23375664.jpg

うにうにしてます。
b0180288_2338171.jpg

棘とか足とか取られたウニ。

b0180288_233951.jpg

Fig.1 囲口部外面(口の周り)
b0180288_2340722.jpg

Fig.2 囲肛門部外面(肛門の周り)
b0180288_23404651.jpg

Fig.3消化器系

もうね、スケッチを見れば何となくわかると思うんですが、
ウニを見た瞬間(というより今日の実験がウニだと知った瞬間)戦意を喪失しました。
棘とか足とかの数半端ないじゃないですか。真っ黒じゃないですか。
棘がどうついてるかとか、足がどう並んでるかとか言われてもねぇ。そんなのねぇ(笑)

ウニは、下側に口が、上側に肛門がついています。
五放射相称で、棘や管足が規則的に並んでいます(確かに規則的に並んでいることはわかるのですがそれをスケッチできるのかどうかは別問題でして 笑)。
棘や管足を動かして移動し、棘を突っ張り棒のようにして岩の間に体を固定したりします。
また、管足の先端は吸盤のようになっています。
管足や棘に混じって、叉棘というものをはさめるような器官が混ざっていて、それを使って体表のゴミを取り除いたり、有毒なものはそこから毒を出したりします。
また、口側の棘の付け根のあたりに、ぶよぶよとした鰓がついています。

ウニというと、もう食べることしか考えられないのですが(笑)
よく知られているように、食用となっているのはウニの生殖腺です。卵巣よりも精巣のほうが美味しいらしい(ほんとかな)。

ウニは、食用にもされていますし、発生の実験にもよくつかわれている動物ですが、スケッチの素材としてはすこぶる不向きだと言えます。ほんとに。結局今日も夜までかかってしまいました。

次回、無脊椎動物最終回。
フジツボです。

そして関係ないけど、この実験を担当している研究室のブログはこちらです。
なんか無脊椎っぽいブログです(笑)
by kobaso | 2011-05-30 23:58 | 生物小話

生物実験Ⅱ 第二回 シナハマグリ 

最近更新が滞っています。が、kobasoはつつがなく暮らしております。
暑くなってきましたね、こんばんは。てんやわんやkobasoです。

さ、今日は先週のアオゴカイに引き続きシナハマグリのレポートです。
シナハマグリ(Meretrix lamarckil
軟体動物門 二枚貝綱 マルスダレガイ科

b0180288_23561098.jpg

おいしそうなハマグリ。

b0180288_23562856.jpg

殻をあけてもおいしそうなハマグリ。

b0180288_2356478.jpg

Fig.1 左殻表面

b0180288_2357455.jpg

Fig.2 左殻内面

b0180288_23572247.jpg

Fig.3 左殻及び左殻外套膜を除いた体の全形

市場でよくみられるハマグリは、「ハマグリ」ではなく、「シナハマグリ」です。
潮干狩り等でもよくこのシナハマグリが撒かれているため、在来種のハマグリの減少と、雑種による遺伝子撹乱が問題になっています。ハマグリもシナハマグリもどっちもおいしいです(笑

生物のことを学んでいない人にとって、貝って、よく知っているようで実はよく知らない生き物だと思います。
塾の生徒に、「なにか海の生き物でおもしろいこと話して。」と言われた場合、たいてい僕は貝かウミガメのことを話します。たいしたことを知っているわけではないのですが、それでも知らない人にとっては結構な衝撃を与えられる生き物だったりします。

って話そうと思ったんですが、ここ海洋大生も見ているわけで、なんか怖いですね(笑
変なこと言ってたらすぐ訂正してください(・ω・)

例えば、ハマグリに足があることを知っていますか?足、あるんですよ。
しかも結構大きな足が。貝殻の、パカパカなる側(三角形の底辺のほう)から、斧のような形をした足をにょきにょきとだして、歩くんです。

貝殻を開けて、外套膜という薄い膜を外すと(Fig.3)大きな2枚の鰓があります。ハマグリのような二枚貝は、出水管と入水管というふたつの管を持っています。入水管からいろんな懸濁物を含んだ水を吸って、鰓で濾しとって餌を食べます。口は貝の中にあって、口の近くには唇弁があります。唇弁を唇として見ると、ハマグリがとても奇怪な生き物に見えるんですよう。Fig.3を凝視してみてください。唇弁、唇だと思ってみてください。貝殻の中に、なんかすごく変な生き物が棲んでいるように思えてきませんか。

あと、おつまみとして親しまれているホタテのヒモ(ホタテの身の周りに着いているヒダヒダの部分)に、小さいブツブツがついてますよね。あれ、何だと思いますか?
実はあれ、全部「目」なんですよう。
ますます貝のこと、「なんじゃこいつは」って思ってしまいますよね。

この実験で初めて知ったんですが、心室を腸が通っていたりもするんですよ。心臓に、腸が、です。なんじゃこいつは。

貝は、ちょっと貝殻を見てみても面白いんです。
例えば、貝殻に凸凹としたスジがありますよね。これは成長線と言われるもので、木の年輪のようにこれで年齢を知ることができます。貝殻は、殻頂(三角形のてっぺんの部分)から腹縁(三角形の底辺の部分)にいくにつれ新しいものになっていきます。
また、砂浜を歩いていて、貝殻に小さな穴があいているものを見たことがありませんか。
あれは、その貝が何者かに食べられた跡です。殻頂あたりに1つの小さな穴があいている場合は、肉食性の貝であるツメタガイに襲われた証拠です。貝柱のあるあたりに2つの穴があいている場合は、タコに襲われた証拠です。
砂浜を歩いていて先輩にこのことを教えられた時、なんとなく嬉しくなって砂浜の貝殻をひたすら拾って、この貝はどういう死に方をしたのか考えたりしました。そんな時期もありました(遠い目)。

また話は変わりますが、「ぐれる」って言葉ありますよね。
あれ、「ハマグリ」が語源らしいんです。貝合わせという遊びがあるように、貝の貝殻は同じ個体の貝殻でないとピタッとはまりません。その、貝殻がピタッと合わないことを、「はまぐり」を逆にした「ぐりはま」と言ったんだそうです。それが食い違って合わないことを意味するようになり、「ぐれはま」に変化し、いつの間にやら「ぐれ」と省略されました。こうして「ぐれる」という言葉が完成したそうです。
「ぐりはま」って「ざきやま」みたいです。ちょっと信じられないです(笑

貝って面白いですね。
貝って面白いんです。でも、実験はちょっと過酷でした。13時に始まり、20時30分に終わりました。
何にそんな時間がかかったかというと、消化管ほじほじ作業です。
上でスケッチ3枚並べましたが、実はもう1枚書かなければならなかったんです。消化管のスケッチを。
貝の消化管は、肉に癒着していて、解剖しにくいんです。少しずつ少しずつ、顕微鏡の下でピンセットを使いながら肉を削いでいくわけですが、こうね、気を抜いた瞬間、肉と一緒に消化管もプチっとやってしまいまして。
結局3匹のハマグリを犠牲にして、とうとうスケッチを書く段階にまで至りませんでした。
b0180288_23573916.jpg

解剖途中のハマグリさん。

やー、これからはもっと丁寧にハマグリ食べることにします。

次回、エゾバイ(また貝)です。
by kobaso | 2011-04-29 00:45 | 生物小話

生物実験Ⅱ 第一回 アオゴカイ

僕の通っている大学は、海の大学ですので、海の生物に関する授業や実験や実習があります。
実験は、イカとか、エビとか、クジラの耳くそとかを昼から夜までひたすらスケッチするという実験です。
僕は、大学に通うまでずっと陸地に住んでいましたので(琵琶湖はありましたが)、海の生物に関する知識は皆無に等しいといっても過言ではありませんでした。恥を忍んで言いますと、今回のブログに書くゴカイという生物も、大学に来るまで聞いたことも見たこともありませんでした。ウミガメだって何にも知らなかったからね(ふふん 笑)。
ですが、ここはやはり海の大学なわけで、研究室のことも考えないといけないとなると、このままではいけないわけです。少しでも、多くのことを吸収しないと(←いまさら)。
ってことで、実験の予習復習として、文献でその生物を調べることにしました。で、どうせならここにも載っけてしまおうと思いまして。ポピュラーな種ではありますが、変な生き物ばかりなのでなかなか文献が集まりません。それなりにまとめてみました。

と、いうわけで今回はアオゴカイです。
アオゴカイ (Perinereis aibuhitensis Grube,1878)
環形動物門 多毛綱 ゴカイ科

b0180288_23261366.jpg

頭部写真

b0180288_23263834.jpg

Fig.1 体前部背面拡大図

b0180288_0275183.jpg

Fig.2 尾部背面図

b0180288_0282497.jpg

Fig.3 消化管前部
Fig.4 疣足

えっと、部分的な写真やらスケッチしかないので全体像がつかみにくいのですが、
ヤスデを巨大化して、もう少し柔らかくして、毒々しい感じをなくしたものがゴカイのイメージ図かな(笑
とか言ってないで写真見せた方がいいですよね。こんな感じです
気持ち悪いでしょう。でも、まじまじと見てみると、つぶらな四つ目が可愛く見えたりもするんです。
まあでも、ゴカイに生まれ変わりたくはないし、ゴカイに襲われたりもしたくないなと思いました。
ゴカイの仲間(多毛綱)は形態や生態が多様で、中には深海の熱水噴出孔の周りにすむ、口も肛門もない(すなわち消化器官が全くない)チューブワームも含まれています。

アオゴカイは、一般的にはアオイソメとして釣りの餌としてよく使われています。日本に生息しているものではなく、朝鮮や中国等の潮間帯の砂中に生息しています。釣り後、投棄されたりして大量に日本にも放されていると考えられますが、不思議なことに日本に定着してしまったという報告は特にこれといってないとのことでした。
Fig.1に見られるような硬いアゴ(キバみたいなやつ)は、普段は見えません。普段は、(おおざっぱに言うと)ミミズの頭のような形をしているのですが、餌をとるときに、口の中からぺろっとアゴを出して、餌を挟み、それを口の中へと運びます。
面白いのは、見た目はゴカイによく似たイソメ目のイワムシとのアゴの成分の違いです。
イワムシのアゴにはカルシウムが多いのですが、アオゴカイのアゴにはヨウ素や塩素、臭素、亜鉛が多いそうです。また、表面にはヨウ素と臭素が、内部には塩素と亜鉛が多いとのこと。
この違いは、岩の中に穴を掘るために硬いアゴが必要なイワムシと、餌をしっかりとつかみ、口に引きずり込むために弾力のあるアゴが必要なアオゴカイの、生態的な理由によるものかもしれないとのことです。
移動は疣足と、剛毛(Fig.4)によって行われます。剛毛は、疣足内部にある足刺とつながっていて、筋肉が動くと連動して剛毛も動くようになっています。剛毛にもヨウ素がたくさん含まれているとのことですので、アオゴカイはヨウ素が豊富であるということですね。イソジン飲むよりアオゴカイ食べたほうが放射能対策になるんじゃないかな(もちろん冗談ですので真似しないでください。真似っておかしいか)。
血液は人間とおなじくヘモグロビンで構成されています。

また、多毛綱は再生能力に優れたものが多く、トカゲのように緊急の際には体の一部を自切することで難を逃れるものも多いようです。また、限られた種ではありますが、頭部を含む体の前部を再生できるものもいるようです。こわいですね。
なんか、他にも疣足が生殖器になったり、剛毛をメスの体に刺して精子を送り込む種がいたりと、へんな多毛綱がたくさんいることがわかったのですが、あまり書くと長くなるので今回はこの辺で。

何か訂正とか補足とかあれば教えてください!

次週、ハマグリです。

<参考文献>
「無脊椎動物の多様性と系統(節足動物を除く)」 白山義久
「貝殻・貝の歯・ゴカイの歯」 大越健嗣
「環形動物 多毛類」 今島実
by kobaso | 2011-04-20 00:23 | 生物小話

日本魚類学会自然保護委員会市民公開シンポジウム 国内外来魚問題の現状と課題

に、今日は参加してきました。
近年、ブラックバスやブルーギル等の国外外来魚の問題が注目されていますが、
それと同時(それより前から)、国内外来魚の問題も深刻となっています。
有名な例では、琵琶湖産のコアユの種苗放流の際に、混入していた琵琶湖産のフナ等も同時に放流され、
放流された地域で繁殖、その土地の在来種の存在を脅かすというものがあります。
国外外来魚に比べ、国内外来魚は目に見えにくいため、一般人の意識は低いものとなりがちです。
今回のシンポジウムでは、実際に遺伝子撹乱が起こってしまった例や、国内外来種拡散の要因などについての講演がありました。講演プログラムについては、こちらをご参照ください。

先日のIUCNのシンポに比べ、具体的な話が多かったため、わかりやすく、非常に面白いシンポジウムでした(単に私の勉強不足ということもあろうかと思いますが)。
また、国内外来種の問題には、淡水魚のメッカである琵琶湖産の魚類が大きくかかわっているためか、
琵琶湖の話が多くなり、東京にいながら、滋賀県の方の琵琶湖の話を拝聴するという、なんとなく変な感じのするシンポジウムでした(笑

同じ種の魚類でも、生息している地域によって遺伝的性質が異なるという話は、多少生物の知識を持っておられる方はご存知かと思いますが、そうでない一般の方にはあまり馴染みのない話かと思われます。
自分も驚いたのですが、琵琶湖水系のオイカワは、河川ごとによって遺伝子的性質が異なるそうです(下流域では養殖物の普及によって遺伝子撹乱が起こってしまったようですが)。

メダカにしても、日本国内でそれぞれの地域特有の種が存在しています。
しかしながら、一般的なレベルでは、クロメダカ・ヒメダカの区別しかされていないケースが多いように思われます。もし、滋賀県で「クロメダカ」が減っているからと言って、別の地域から「クロメダカ」を持ってきて放流してしまえば、
本末転倒、西日本型のクロメダカがいるべきところに、北日本型のクロメダカが存在してしまうということが起こりうるわけです。
メダカの話、個人的には、市場に流通しているクロメダカはヒメダカを生産する過程で生じたものだということを知って驚きました。となると、市場に流通しているクロメダカはヘテロということになり、ヒメダカと交雑させても劣勢のヒメダカの性質が現れるということになるのでしょう(たぶん)。試してみたいです。。。

少し話がそれましたが、
「良かれ」と思って行う放流が、実は生態系に悪影響を及ぼしてしまう。
ウミガメの放流会とは少し性質が違いますが、いかに「放流」という行為が難儀なものを孕んでいるのかということでは共通しています。
今、定着してしまった(しつつある)国内外来魚にどう対処するかという議論はなされませんでしたが、
非常に勉強になるシンポジウムでした。

昨日書いたクサガメも遺伝子撹乱の要因になってそうですね(苦笑
あのカメはたぶん外国産ですが。。。

何にしても、
もう少し勉強しよう(苦笑
by kobaso | 2009-10-12 22:17 | 生物小話

すきなかめ

うみがめ研究会に所属している私ですが、
実を言うと、ウミガメよりもリクガメの方が好きです。
さらに言うと、リクガメよりもヌマガメ、その中でもクサガメが好きです。
甲羅の色合いも、体色も、目も鼻も口も、クサガメが一番好きです。
幼い頃飼っていたクサガメは、水槽の上にかましてあった金網を自力で退かして、
逃亡してしまいました。
カメは意外と力持ちで、素早く歩くんです。

あの時逃げたクサガメは、まだどこかで生きているのかな。などと、
ぼんやりと考えてしまった今日この頃です。
死んでしまった、というより殺してしまった可能性の方が高いですが。

画像は少し前に描いたクサガメです。
最近仕事上カメをたくさん描くので、カメノイローゼになりそうです(笑
b0180288_15385458.jpg

by kobaso | 2009-10-11 15:37 | 生物小話

生物多様性条約COP10 1年前シンポジウム

国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)主催の
生物多様性条約COP10 1年前シンポジウムに参加してきました。
今回のシンポジウムの趣旨は、
来年名古屋で
生物多様性条約第10回締結会議(CBD-COP10)および第5回カルタヘナ議定書会議(MOP5)
が開催されることを踏まえ、「2010年目標」をどう考えるか、「ポスト2010年目標」をどうしていくかということでした。
簡潔に言うと、今までの取り組みの反省を踏まえた上で、今後「生物多様性」の実現に向け、どのように取り組んでいくかということです。

プログラム等はこちらをご参照ください。
また、以下に記すことは、知識的にも経験的にも未熟な私が勝手に考えたことですので、
その辺のこと、よくよくご承知願います。

シンポジウムの基調講演やセッションにおいて、Jeffry A. McNeely氏や中静透氏の述べておられたことに、
2010年目標「2010年までに、世界的な生物多様性の損失スピードを著しく抑える」
には、科学的な基準値、またその基準値測定の数値、手法がない。との指摘がありました。
「生物多様性」という概念自体が受け入れられにくいものであり、科学的根拠の欠落がさらにその曖昧さを助長させている。
しかしながら、私はそれ以上に、生物多様性に関する取り組みに疑問を持ちました。
それは、「ビジネスや政治が優先して、科学的視点が軽視されているのではないか」ということです。
セッション項目の中に「科学的基盤に基づいた目標と評価指標が何故必要であるか」というものが含まれていること自体がおかしいのではないかと思うのです。
この条約が生物多様性、環境に関することであるならば、「何故科学が必要か」など確認するまでもなく、「科学ありき」になるはずではないでしょうか。
生物多様性は重要であり、それを保全するために企業や行政が行動する。この行動の価値を見出すために、科学が利用されている気がしてならないのです。
何故、科学的指標も意義も確定していないのに、行動を起こすのか。
産業界の方が示した生物多様性の指標としての例には、
「生物多様性に配慮し企業が活動した件数」が挙げられていましたが、
その活動が、果たして生物の保全に役立つものであるかどうか確認せずに、「件数」を指標にしてしまうのは、少し杜撰な感じがしてしまいます。

確かに、生物が次々と絶滅していく現状は、無視できるものではありません。
しかしながら、どこまで人間が絶滅していく動物に関与して良いのかというのは、難しい問題である気がします。

そもそも、「あるべき自然の姿」とは何でしょうか。
たとえば、日本ですでに絶滅したトキを再び日本に定着させることは、
「あるべき自然の姿」に戻すということになるのでしょうか。
今後温暖化が進むにつれ、恐らくは生物は移動し、滅び、あるいは誕生して、それなりの変化をしていくように思われます。
そんな中、元あった自然の姿、人間の言う「あるべき自然の姿」に戻すことが、本当に『自然』なことなのでしょうか。
以前にも言ったことがあるかもしれませんが、
今、人間が「地球にやさしい」と言いながら、自然を保護する、自然を元あった姿に回復させるという行為は、
今まで我々が自然を利用しすぎてきたことと同じように、『不自然』なことなのではないでしょうか。
人間が自然をどうこうしようということに変わりがないように思えてしまうのです。

もっと言うなれば、生物多様性の保全に向けての日本の中長期目標として、
「生物多様性の損失を止め、現状以上に豊かなものへ」
というものがありました。前半部分はわかるとしても、後半部分「現状以上に豊かなものへ」とは、一体どういうことなのでしょうか。
現状以上に豊かにするということは、現状ある以上に、その地域に生息する生物を増やすということなのでしょうか。恐らくそんなことはないとは思いますが、もしそうだとしたら、それこそ環境破壊であり、『不自然』なことのように思えます。

批判ばかり書いてきましたが、何も「生物多様性を保全する必要がない」と言っているわけではありません。
ただ、もう少し科学的根拠をはっきりさせた上で、企業が、行政が生物多様性について考えていくべきなのではないかなと思ったのです。
お金が絡むと科学的事実など軽視されるのは仕方のないことなのかもしれませんが…。

またまた下手な文章の長文ごめんなさい。
by kobaso | 2009-10-10 23:25 | 生物小話

表浜アカウミガメ産卵報告

合宿報告第2弾ということで、表浜(愛知県豊橋市)でのアカウミガメ産卵について報告したいと思います。

もともと、表浜調査は、アカウミガメの産卵跡が見れたらいいなぐらいの気持ちで、
前の日に名古屋港に行った人のうち、希望者だけが参加するというものでした。
当日は、かめ研メンバー4人(私含め)、桜ケ丘高校生物部(地元でウミガメについて勉強している部活)3人、表浜ネットワーク(NPOウミガメ保全団体の一)の方2人が参加。
早朝起床し、SKBさんの運転する車で表浜まで移動。
戦々恐々としながら移動。
身を震わせながらの移動。
なんせ、私ってドジなのトークをさんざん聞かされたあとのことでしたから。
そして実際、いかに彼女が天然かということを知っていますから。
真夜中なのに、「行く場所?緑の家だよ。」などと言って、
家の色を手がかりに探してしまうような人です。
全部真っ黒だから。SKBさん。
カナヘビが目の前を通り過ぎた時、さっと地面に這いつくばって、驚くほど俊敏な動き、華麗な手さばきでカナヘビを捕まえ、
「ほら。」と言って嬉しそうにカナヘビを見せてくれるような人です。
「ほら。」じゃないから。SKBさん。まぁ確かに可愛いけど。カナヘビ。
いまや私のなかでは、変人四天王のうちの1人となっています。
誤解を招かないようにつけたしておきますが、人間変わっている方がいいと思うし、彼女のカメに関する知識は半端ないので、大変尊敬しております。ええ。もちろんですとも。

えっと、話がそれました。
結局何事もなく砂浜につき、
早朝3時半からひたすら砂浜を歩きました。
星明かりがきれいで何ともロマンティックな光景でした。
しばらく歩くうち(5時くらい?)に、表浜ネットワークのTさんが産卵中のアカウミガメを発見。
段階としては、産卵終盤の、カモフラージュという、産んだ卵を埋める段階になっていましたが、
ウミガメの産卵を見られること自体、滅多にないことです。
しかも、普段は野生の死んだカメ、ガスがパンパンに充満して、もの凄い臭気を発しているカメしか見ていないので、もうね、生きてる野生のカメを見られたってことだけで感動でした。
テンションはかなり上がっていましたが、大きな音をたてないように気をつけながら観察しました。

b0180288_947204.jpg

↑ばさっばさっと力強く砂を蹴るカメ。

この行動は6時ころまで続き、太陽が顔を見せ始めたころ、カメは海へと歩き始めました。

b0180288_955755.jpg

↑移動中のカメ。アカウミガメは英名で"Loggerhead turtle"といい、頭が大きいのが特徴です。

b0180288_9585729.jpg

↑アカウミガメの足跡。種によって手の動かし方が異なるので、足跡を見るだけでカメの種類がわかります。アカは右手・左手を交互に動かすので、このような足跡になります。

カメが海に帰ったあと、産卵巣を手で掘り返して卵があるかどうか確認しました。
そのとき、ちょうど携帯の充電が切れてしまったので、写真に収められなかったことが残念でなりませんが、サイズも柔らかさも、本当にピンポン玉のような卵でした。

普通、ウミガメの産卵は、もっと夜中の午前2時ごろに行われますが、今回のように朝型のカメが近年増えてきているようです。
また、このカメは曲甲長78cmと小さかったのですが、これも最近の傾向なのだそうです。
それが良い事なのか悪いことなのか断定はできませんが、なぜそうなっているのかは疑問点として残りました。

表浜の(ある程度)理想的な砂浜の環境、それに比べてかめ研がフィールドとしている平砂浦(千葉・館山)の砂浜の環境はどうか。砂浜の減少を考える上で何が大切か、ウミガメを考える意義はどこにあるのか等、いろいろと勉強になる合宿でした。
このブログのなかでも、それらのことについてもう少し考えを深めてから、ぼちぼちと書いていくつもりです。

※なお、産卵の写真はmixiのほうにもアップしてあります(上に載せた写真以外もアップしてあります)。
by kobaso | 2009-08-07 10:08 | 生物小話

名古屋港水族館報告

8月2日~4日にうみがめ研究会の合宿で、愛知県に行ってきた報告をば。
まず第1段は名古屋港水族館についてのお話。

なんで東京にある大学が、わざわざ名古屋の水族館に行ったのかというと、
我らがうみがめ研究会は、名古屋港水族館にシフト制でうみがめの飼育補佐をやらせていただいているのです。
今回は、新入生(つまり私達)に、どんなことをするのか把握してもらおうというのが目的でした。

名古屋港水族館はいいですね。
海遊館や品川水族館はエンターテインメント性を追求しているのに比べて、
名古屋港は生き物を見せようとしています。見ていて飽きないんです。水槽にべたっと張り付いていられる。
(決して海遊館とかが悪いと言っているわけではありません。あそこも人と行くなら絶対に楽しいところです。)
何よりもメンバーがみんな水棲生物に興味のある人なので、話が通じる。
水槽に張り付いていても奇異な目で見られない。ってかみんな張り付いてます。
まぁ、それはそれで変な光景ですが。

「ホウボウっていいよね。」
「ナウシカのオウムっぽいよね。」
「あしで這いつくばって、たまに羽広げて泳ぐとことかなんとも言えんよね。そんな泳ぎ方すんのかよって。」
「基本ベントスっていい奴多いよね。」
「そこもの万歳」
「万歳」

まさかホウボウの良さについて語り合える同士がいるとは。
この大学に入ってよかったなとしみじみ感じました。

その後も
「飼うならタコクラゲがいい」とか
「ゴンズイとナマコのいる水槽をつくりたい」とか
「アンコウは基本可愛い。でもオスには生まれたくない。でもオスのメスに溶けていく感じは味わってみたい。」とか
素晴らしい語り合いを続け、
しまいにはガチャガチャにみんなはまってしまって、
2000円とか3000円をカメやら魚やらのフィギュアに費やす人も出たくらいでした。
ガチャガチャに群がる大学生。後ろからは「早くどけよ」と言いたげな小学生。
そんなのそっちのけで
「うわ、またヒラリーカエルガメかよ。」
「ワニガメいいな。クサガメと交換して。」
ガチャガチャに年齢なんて関係ありません。
私ですか?私は小人なので、600円をカメのガチャガチャに費やすのみでしたよ。
だってお金がないんだもの(泣

えっと、カメの話から遠ざかってしまいましたね。
バックヤードで、間近にカメを見てきたのですが、彼・彼女らはヒトによほど慣れているようで、
バシャバシャとカメがたくさん寄ってきました。
馬車馬車とよりすぎて、水をたんまりかけられました。
おちつけ。かめさん。
しかしながら可愛い。
カメの首根っこをつかんでふにゅふにゅして遊んでいました。
カメのやわらかい場所は首根っこと鼻なんです。
やわらかいって素晴らしい。

写真はアカウミガメの子ども。
b0180288_23323530.jpg

by kobaso | 2009-08-05 23:32 | 生物小話