<   2011年 04月 ( 9 )   > この月の画像一覧

生物実験Ⅱ 第二回 シナハマグリ 

最近更新が滞っています。が、kobasoはつつがなく暮らしております。
暑くなってきましたね、こんばんは。てんやわんやkobasoです。

さ、今日は先週のアオゴカイに引き続きシナハマグリのレポートです。
シナハマグリ(Meretrix lamarckil
軟体動物門 二枚貝綱 マルスダレガイ科

b0180288_23561098.jpg

おいしそうなハマグリ。

b0180288_23562856.jpg

殻をあけてもおいしそうなハマグリ。

b0180288_2356478.jpg

Fig.1 左殻表面

b0180288_2357455.jpg

Fig.2 左殻内面

b0180288_23572247.jpg

Fig.3 左殻及び左殻外套膜を除いた体の全形

市場でよくみられるハマグリは、「ハマグリ」ではなく、「シナハマグリ」です。
潮干狩り等でもよくこのシナハマグリが撒かれているため、在来種のハマグリの減少と、雑種による遺伝子撹乱が問題になっています。ハマグリもシナハマグリもどっちもおいしいです(笑

生物のことを学んでいない人にとって、貝って、よく知っているようで実はよく知らない生き物だと思います。
塾の生徒に、「なにか海の生き物でおもしろいこと話して。」と言われた場合、たいてい僕は貝かウミガメのことを話します。たいしたことを知っているわけではないのですが、それでも知らない人にとっては結構な衝撃を与えられる生き物だったりします。

って話そうと思ったんですが、ここ海洋大生も見ているわけで、なんか怖いですね(笑
変なこと言ってたらすぐ訂正してください(・ω・)

例えば、ハマグリに足があることを知っていますか?足、あるんですよ。
しかも結構大きな足が。貝殻の、パカパカなる側(三角形の底辺のほう)から、斧のような形をした足をにょきにょきとだして、歩くんです。

貝殻を開けて、外套膜という薄い膜を外すと(Fig.3)大きな2枚の鰓があります。ハマグリのような二枚貝は、出水管と入水管というふたつの管を持っています。入水管からいろんな懸濁物を含んだ水を吸って、鰓で濾しとって餌を食べます。口は貝の中にあって、口の近くには唇弁があります。唇弁を唇として見ると、ハマグリがとても奇怪な生き物に見えるんですよう。Fig.3を凝視してみてください。唇弁、唇だと思ってみてください。貝殻の中に、なんかすごく変な生き物が棲んでいるように思えてきませんか。

あと、おつまみとして親しまれているホタテのヒモ(ホタテの身の周りに着いているヒダヒダの部分)に、小さいブツブツがついてますよね。あれ、何だと思いますか?
実はあれ、全部「目」なんですよう。
ますます貝のこと、「なんじゃこいつは」って思ってしまいますよね。

この実験で初めて知ったんですが、心室を腸が通っていたりもするんですよ。心臓に、腸が、です。なんじゃこいつは。

貝は、ちょっと貝殻を見てみても面白いんです。
例えば、貝殻に凸凹としたスジがありますよね。これは成長線と言われるもので、木の年輪のようにこれで年齢を知ることができます。貝殻は、殻頂(三角形のてっぺんの部分)から腹縁(三角形の底辺の部分)にいくにつれ新しいものになっていきます。
また、砂浜を歩いていて、貝殻に小さな穴があいているものを見たことがありませんか。
あれは、その貝が何者かに食べられた跡です。殻頂あたりに1つの小さな穴があいている場合は、肉食性の貝であるツメタガイに襲われた証拠です。貝柱のあるあたりに2つの穴があいている場合は、タコに襲われた証拠です。
砂浜を歩いていて先輩にこのことを教えられた時、なんとなく嬉しくなって砂浜の貝殻をひたすら拾って、この貝はどういう死に方をしたのか考えたりしました。そんな時期もありました(遠い目)。

また話は変わりますが、「ぐれる」って言葉ありますよね。
あれ、「ハマグリ」が語源らしいんです。貝合わせという遊びがあるように、貝の貝殻は同じ個体の貝殻でないとピタッとはまりません。その、貝殻がピタッと合わないことを、「はまぐり」を逆にした「ぐりはま」と言ったんだそうです。それが食い違って合わないことを意味するようになり、「ぐれはま」に変化し、いつの間にやら「ぐれ」と省略されました。こうして「ぐれる」という言葉が完成したそうです。
「ぐりはま」って「ざきやま」みたいです。ちょっと信じられないです(笑

貝って面白いですね。
貝って面白いんです。でも、実験はちょっと過酷でした。13時に始まり、20時30分に終わりました。
何にそんな時間がかかったかというと、消化管ほじほじ作業です。
上でスケッチ3枚並べましたが、実はもう1枚書かなければならなかったんです。消化管のスケッチを。
貝の消化管は、肉に癒着していて、解剖しにくいんです。少しずつ少しずつ、顕微鏡の下でピンセットを使いながら肉を削いでいくわけですが、こうね、気を抜いた瞬間、肉と一緒に消化管もプチっとやってしまいまして。
結局3匹のハマグリを犠牲にして、とうとうスケッチを書く段階にまで至りませんでした。
b0180288_23573916.jpg

解剖途中のハマグリさん。

やー、これからはもっと丁寧にハマグリ食べることにします。

次回、エゾバイ(また貝)です。
by kobaso | 2011-04-29 00:45 | 生物小話

生物実験Ⅱ 第一回 アオゴカイ

僕の通っている大学は、海の大学ですので、海の生物に関する授業や実験や実習があります。
実験は、イカとか、エビとか、クジラの耳くそとかを昼から夜までひたすらスケッチするという実験です。
僕は、大学に通うまでずっと陸地に住んでいましたので(琵琶湖はありましたが)、海の生物に関する知識は皆無に等しいといっても過言ではありませんでした。恥を忍んで言いますと、今回のブログに書くゴカイという生物も、大学に来るまで聞いたことも見たこともありませんでした。ウミガメだって何にも知らなかったからね(ふふん 笑)。
ですが、ここはやはり海の大学なわけで、研究室のことも考えないといけないとなると、このままではいけないわけです。少しでも、多くのことを吸収しないと(←いまさら)。
ってことで、実験の予習復習として、文献でその生物を調べることにしました。で、どうせならここにも載っけてしまおうと思いまして。ポピュラーな種ではありますが、変な生き物ばかりなのでなかなか文献が集まりません。それなりにまとめてみました。

と、いうわけで今回はアオゴカイです。
アオゴカイ (Perinereis aibuhitensis Grube,1878)
環形動物門 多毛綱 ゴカイ科

b0180288_23261366.jpg

頭部写真

b0180288_23263834.jpg

Fig.1 体前部背面拡大図

b0180288_0275183.jpg

Fig.2 尾部背面図

b0180288_0282497.jpg

Fig.3 消化管前部
Fig.4 疣足

えっと、部分的な写真やらスケッチしかないので全体像がつかみにくいのですが、
ヤスデを巨大化して、もう少し柔らかくして、毒々しい感じをなくしたものがゴカイのイメージ図かな(笑
とか言ってないで写真見せた方がいいですよね。こんな感じです
気持ち悪いでしょう。でも、まじまじと見てみると、つぶらな四つ目が可愛く見えたりもするんです。
まあでも、ゴカイに生まれ変わりたくはないし、ゴカイに襲われたりもしたくないなと思いました。
ゴカイの仲間(多毛綱)は形態や生態が多様で、中には深海の熱水噴出孔の周りにすむ、口も肛門もない(すなわち消化器官が全くない)チューブワームも含まれています。

アオゴカイは、一般的にはアオイソメとして釣りの餌としてよく使われています。日本に生息しているものではなく、朝鮮や中国等の潮間帯の砂中に生息しています。釣り後、投棄されたりして大量に日本にも放されていると考えられますが、不思議なことに日本に定着してしまったという報告は特にこれといってないとのことでした。
Fig.1に見られるような硬いアゴ(キバみたいなやつ)は、普段は見えません。普段は、(おおざっぱに言うと)ミミズの頭のような形をしているのですが、餌をとるときに、口の中からぺろっとアゴを出して、餌を挟み、それを口の中へと運びます。
面白いのは、見た目はゴカイによく似たイソメ目のイワムシとのアゴの成分の違いです。
イワムシのアゴにはカルシウムが多いのですが、アオゴカイのアゴにはヨウ素や塩素、臭素、亜鉛が多いそうです。また、表面にはヨウ素と臭素が、内部には塩素と亜鉛が多いとのこと。
この違いは、岩の中に穴を掘るために硬いアゴが必要なイワムシと、餌をしっかりとつかみ、口に引きずり込むために弾力のあるアゴが必要なアオゴカイの、生態的な理由によるものかもしれないとのことです。
移動は疣足と、剛毛(Fig.4)によって行われます。剛毛は、疣足内部にある足刺とつながっていて、筋肉が動くと連動して剛毛も動くようになっています。剛毛にもヨウ素がたくさん含まれているとのことですので、アオゴカイはヨウ素が豊富であるということですね。イソジン飲むよりアオゴカイ食べたほうが放射能対策になるんじゃないかな(もちろん冗談ですので真似しないでください。真似っておかしいか)。
血液は人間とおなじくヘモグロビンで構成されています。

また、多毛綱は再生能力に優れたものが多く、トカゲのように緊急の際には体の一部を自切することで難を逃れるものも多いようです。また、限られた種ではありますが、頭部を含む体の前部を再生できるものもいるようです。こわいですね。
なんか、他にも疣足が生殖器になったり、剛毛をメスの体に刺して精子を送り込む種がいたりと、へんな多毛綱がたくさんいることがわかったのですが、あまり書くと長くなるので今回はこの辺で。

何か訂正とか補足とかあれば教えてください!

次週、ハマグリです。

<参考文献>
「無脊椎動物の多様性と系統(節足動物を除く)」 白山義久
「貝殻・貝の歯・ゴカイの歯」 大越健嗣
「環形動物 多毛類」 今島実
by kobaso | 2011-04-20 00:23 | 生物小話

the Straight Story

b0180288_2345510.jpg


もうこの先長くはないであろうおじいさんアルヴィン・ストレイトが、10年前に絶交し、脳卒中で倒れた兄ライル・ストレイトに会うために、歩く速さとほぼ同じ速さの、古いトラクターで500kmの旅へと出るお話。

急がなければならないのに、アルヴィンは人の運転する車に乗ろうとはしない。
自転車よりも遅く、もしかしたら若者の歩く速度よりも遅い速さのトラクターで旅をする。
恐ろしく頑固なおじいさん。
でもその頑固さは、決して人を不快にするようなものではなくて、
むしろその頑固さが、どこか人を安心させる。
アルヴィンは、自分の扱いにとても慣れているんだなと思いました。それってとても、うらやましい。
自分のやり方でしか進めないことを、アルヴィンは知っていて、自分自身がそれを受け入れている。
なかなか、わかってはいても「自分のやり方」って受け入れられないんだけれど、
ある意味あきらめというか、なんだろう、そうするしかないってことをアルヴィンは知っていて、我が道を行っています。
年をとらないと、できないことなのかな。

最後まで観て、なんとなく悲しい感じが残ったのは、
これが老人の夢の中のような気がしたからかもしれません。
by kobaso | 2011-04-16 23:47 | 映画小話

本棚

またまた本棚があふれかえってしまいました。
本棚があふれかえったのなら本を買わなければ良いだけの話なのですが、街を歩けばどうしても本屋の引力には抗えず、本屋に着地すると今度は本の磁力に手が抗えず、レジのおにいさんの発する強力な魔力に足が自然と動き、正気に戻った頃には鞄の中に本が2冊3冊と入っている有り様です。
どうしようもないので、以前作った本棚よりさらに大きな本棚を作りました。
これでまた心ゆくまで本を買うことができるようになったのでした(何の解決にもなってない)。

b0180288_21134798.jpg

by kobaso | 2011-04-16 21:15 | 退屈小話

金沢文庫さんぽ

b0180288_1815996.jpg
b0180288_18153433.jpg


今日は、雲こそ多かったものの暖かな良い天気でした。
来週には桜が散ってしまいそうな気がしたので、やらないといけないことを色々うっちゃって散歩に行ってきました。毎度おなじみの金沢文庫へ(ここしか知らんのかい)。
葉桜も結構ありましたが、綺麗に咲いていました。人もそれなりに歩いていたりしましたが、でも、花見感はあまりなかったな。今年の春はそういう春なんですね。

あ、いつものことながら同定は定かでないのであてにしないでください←
むしろ教えておくれー。

b0180288_1821749.jpg

タチツボスミレ (Viola grypoceras

b0180288_18223219.jpg

キブシ (Stachyurus praecox

b0180288_182629100.jpg

菜の花(セイヨウアブラナ) (Brassica napus L.

b0180288_18435422.jpg

ハクモクレン (Magnolia quinquepeta
モクレンは、もっと開ききっていない段階のほうが好き。

b0180288_18233336.jpg

キランソウかな…?

b0180288_18285943.jpg

ユリの仲間か何かですかね(「何か」って、おい)。

b0180288_18295380.jpg

うはは、全くわかんないです。でも、こういう花なのかどうなのかわかんないような花、好きです。

b0180288_18304792.jpg

いつものキノコ。

b0180288_1831334.jpg

ヒヨドリ (Hypsipetes amaurotis) 

b0180288_18325355.jpg

ヤマガラ (Parus varius

b0180288_18421121.jpg

キジバト (Streptopelia orientalis

b0180288_1833415.jpg

こういう散り方、なんとなく、ちょっと、悲しい。

b0180288_1834203.jpg


桜前線、もうそろそろ東北にも届くころですね。
by kobaso | 2011-04-10 18:35 | 写真小話

カレーライス

b0180288_1913086.jpg


給料日前のひもじい学生にとって、カレーライスは慈悲深い先輩のようであります。
一度作ると4,5日はカレーライスを食べ続けられます。味も少しずづ変わって、なんとなく毎回食べるのが楽しみです。何より楽です。さすがに4日目5日目になると飽きるのですが、そんな文句は言えません。先輩ですから。
毎回、こことか、もうやめてしまいましたがmixiとかで、ちょっと暇な日にちょっと頑張って作ったごはんを載せてきましたが、たまにはこういう通常ごはんのことを、書こうと思います。

多くの家庭料理がそうであるように、カレーライスもまた、家庭によってかなり味が違うと思います。ルーを2種類以上使うカレーもあれば、牛肉を使うカレー、豚肉を使うカレー、鶏肉を使うカレー、豚肉は豚肉でも薄切り肉を使ったり、ブロック肉を使ったり、ひき肉を使ったり、ジャガイモを入れたり入れなかったり、ソースを入れてみたり…。「カレー」と一口に言っても、人によってそれぞれ異なるカレーの味を想像していると思うと、なんだか面白いです。

僕のカレーの作り方は、ショウガを1つ、ニンニクを2片くらい、セロリを1本(葉も)、トウガラシを1本それぞれみじん切りにし、サラダ油で炒めて、セロリがしんなりしてきた頃に玉ねぎ、ブロックの豚肉、ニンジン、ジャガイモの順に炒め、トマトのすりおろしを入れてから、カレールーのパッケージに記載されているよりも少なめの水を入れて煮て、最後にルーを投入して出来上がりです。
冷蔵庫で死にかけている野菜を使うこともよくあります。よほど変なものを入れなければ、まずくなったりしないところも、カレーライスの魅力だったりしますよね。
今回作ったカレーには、ピーマンと小葱を加えました。ピーマン、結構合いました。小葱は存在が消えました(笑
100円200円をケチらずに作るのがkobaso流です(流というほどのものではない 笑)。

家で作るときには、ちょっと辛い(辛いのが好きな人にはきっともの足りないかもくらいの)カレーになります。でも、むかし食べていたような、豚肉の薄切り肉が入っていて、ジャガイモがかなり溶けてトロトロとした、ものすごく甘い給食のカレーが、無性に食べたくなったりします。

いろんな味の、いろんなおいしいカレーが、世の中にはあります。うれしいことです。
by kobaso | 2011-04-09 19:38 | 御飯小話

雨雲づくり

b0180288_182640.jpg


カーテンを開けると、煙突からもくもくと出る煙が雨雲へと変わっているみたいな風景がありました。
桜、もう少し踏ん張って咲いていてほしいですね。
by kobaso | 2011-04-09 18:05 | 写真小話

本屋

本屋で本を探すとき、他人がどう本を探しているのか、気になります。
最初から買う本を決めて、その本を目当てに本屋の中をさまよっているのか、
それとも、何も決めずにただぶらぶらと「何か良い本」を探しながらさまよっているのか。
僕の場合は、後者である場合が多いです。そしてまた、何となく多くの人が後者であるような気がしています。
雑誌コーナーにいる人はたいてい前者であるような気がしますが、文庫コーナーにいる人は、たぶん後者です。みんなふらふらしてます。こう、まっすぐ獲物に向かってずんずん行く感じの人、あまり見かけませんよね(たぶん)。
実際のところ、どうやって本を探している人が多いんでしょう。

僕の場合は最近、
ただ、なにか良い本ないかなと思ってふらふらして、ちょっと良いかもなって思った本を手にとって、裏表紙に書いてある内容を確認して、ぱらぱら中身を見て、買うかどうか決めています。
で、その最初の「ちょっと良いかもな」に至る本というのは、たいてい「前に読んで面白かった作家の本」「本の紹介文(本屋さんが書いている紙のやつ)をみて」「表紙がなんかいい」の3パターンです。

この3パターン、僕が「この本屋なんかいいかもな」って思う部分と、関係しています(当たり前ですが)。

まず1つ目の「前に読んで面白かった作家の本」について。
今住んでいる家の近所に、おじいさんとおばあさんが経営している小さな個人書店があります。
小さな個人書店なので、品揃えはお世辞にもいいとは言えません。置いてある本も、藤沢周平とか司馬遼太郎とか浅田次郎とか、そういう感じの本で、「歴史もの」にかなり偏っています。でも、その偏った本の群れの中に、見つけたんです。梨木香歩の作品を。しかもなぜか今までの作品が全部揃っていて。なんだか、すごくうれしくなってしまって、その趣味の偏った本の群れを見る目が変わって、「なんか面白い本あるかも」と思い、その本屋で本を探す姿勢も変わりました。よくよく探してみると、いわゆる歴史ものの群れの中にぽつりぽつりと、異色なものが混じっています。川上弘美のエッセイも、角田光代の「さがしもの」も、群れの中にいた異色な存在でした。それが悉く自分にヒットしました。
自分の知っている作家の扱いが丁寧(?)であると、その本屋のことが好きになります。

次に2つ目の「本の紹介文をみて」について。
平積みにされた本の上に、こう、画用紙に手書きの文字でその本の紹介がされているものがあるじゃないですか。あれ、結構というかかなり参考になりますよね。あと、それをみて「あぁなんか面白くなさそうやめておこう」と思う本も結構あるじゃないですか。1つ目とかぶるのですが、自分の気に入っている本に、紹介文がついていて「おもしろいよ」って書いてあると、「なかなかわかってるね(←偉そう)」とか思って、それだけでその本屋の店員さん好きになりませんか(どの店員さんが書いたとかは知らないけれど)。
この紹介文をきっかけに、瀬尾まいこの「卵の緒」を買ったりしました。

最後に、3つ目の「表紙がなんかいい」について。
これは、平積みにされている本じゃないとわからないですね。棚にきっちり収められている本はとってみないとわからないので。見た目って本の場合も結構大事で、文庫本もなんとなく表紙のデザインでその本のイメージが決まってしまったりします。この前書いた堀江敏幸の「雪沼とその周辺」も、結構前に買った本ですが、小川洋子の「偶然の祝福」も、表紙を見て買おうと思ったところが多分にあります。
なるべく本は平積みにして欲しいです(スペース的に限度はあるけれど)。

この3つを考えると、本屋って、別に色んな本が揃っている大型書店が「良い本屋」ではないなってことに気付きました。小さくてもいいんです。色んな本が揃ってなくてもいいんです。
むしろ、めちゃくちゃ偏ってて、でも愛着がある本を売っているっていう本屋がいくつかあった方が僕は嬉しいです。
たくさんの本が売っている大型書店にも良いところはたくさんあるのだけれど、迷子になっちゃうんですよね。どれを見ればいいのかわからなくなって。しかも全てが同じ本に見えてしまう。
こう、「この本読んでみよ!!」ってずんずん推してきてくれたほうが良いです。店員さんの独断と偏見で良いから。

一冊一冊に紹介文付けた本を並べるコーナーとかあると、すごくうれしいんだけどな。
by kobaso | 2011-04-04 23:32 | 退屈小話

春の数え方・人間はどこまで動物か

b0180288_2122138.jpg
b0180288_2122477.jpg

『春の数え方』
『人間はどこまで動物か』
日高敏隆
新潮文庫

学者で、文章の面白い方というのは、たくさんおられます。
解剖学者の養老孟司さんの本も面白いですし、免疫学者の多田富雄さんの本も面白い。
今回の、動物行動学者である日高敏隆さんもまた、非常に面白い本を書かれています。

「蝶はどのように春という季節を知って羽化するのか。」「羽化した蛾は何のために光を求めて飛ぶのか。」「カマキリがその年の降雪量を予測して卵を産む位置を変えるというのは本当か。」「洞窟昆虫はどのような進化を遂げてきたのか。」などといった生物に関することばかりだけではなく、「温暖化とは何か。」「外来生物について。」「河川の管理の在り方。」といった環境問題から、「大学とは何か。」「この大学で良かったのか戸惑う学生。」という話、果ては「スリッパについて。」といった話まで、あらゆることへの思索が書かれています。

例えば、「羽化した蛾はなんのために光を求めて飛ぶのか。」という話。
ミドリムシや、植物プランクトンならば、光を求めて浮遊する理由というのは、すぐに思いつきます。
「光合成のため」ですよね。では、蛾は何故光を求めるのでしょうか。光合成など、無論するはずもありません。
虫が光に寄ってくるという習性を良く知ってはいますが、しっかりと考えてみると、不思議ではないですか。
僕は不思議でした(高校生物でやった気がするけどそんなこと忘れちゃったもんね←)。
日高さんの本には、「何故」がたくさん詰まっています。

日高さんは、時々大胆な考えを書かれるのですが、書き方はとても謙虚です。なんというか、科学者らしい書き方(当たり前ですが)。わからないところは、はっきりとわからないと書く。むしろわからないと書いてあることのほうが多いです。でも、それが面白い。なんでなんだろうと考えさせてくれます。
書き方もとても優しく、かつわかりやすい。理系っぽい本ですが、文系の人にもおすすめしたい本です。きっと、身の回りにいる生き物たちへの視線が変わるはずです。文系の人こそ、その驚きは大きいのかもしれません(文系の僕が言うのですから、きっとそうでしょう 笑)。

僕は、今まで実験やサークル活動で解剖、観察、スケッチということはそれなりにやってきたつもりでした。でも、その時、その生物の背景や行動にまで考えを巡らせていたでしょうか。確かに、エビの足のつき方とか、関節の付き方とか、イカの吸盤の付き方とか、そういったことは何故そうなっているかまで考えながらやっていたつもりですが、その生き物自体を観ていたかどうか、怪しいところです。その生き物がどのような生活をしているのか、どのようにその足を動かし、どのような行動をしていたのか、それは何故か…。
日高さんの本は、「何故」と考えることの大切さ、面白さを再認識させてくれるものでした。
「考え方」がとても新鮮でした。
また、既に亡くなっている方の考え方を新鮮に感じたことが、少し悔しくもありました。

日高さんは、滋賀県立大学の学長を務めたことがある方で、著書の中にも滋賀のことがたくさん出てきます。また、東京出身でもあるので、東京についてもたくさん書かれています。自分は滋賀育ちで、現在東京の大学に通っているため、より親近感がわきました。
by kobaso | 2011-04-02 22:02 | 読書小話