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THIS IS JUST TO SAY

"THIS IS JUST TO SAY"


I have eaten
the plums
that were in
the icebox
and which
you were
probably
saving
for breakfast
Forgive me
they were delicious
so sweet
and so cold

(written by William Carlos Williams )


今、堀江敏幸さんの「彼女のいる背表紙」という本を読んでいるのですが、
その中で面白いものがあって、どうにも書きたくてうずうずしてしまったので、まだ全部読み切れていませんがこれだけ書いてしまいます。

上の詩は、ウィリアム・カーロス・ウィリアムズという詩人の、詩です。
本の中ではこの詩中の"I"と"you"の関係性に焦点が当てられています。

"I"と"you"どんな関係だと思いますか?

僕は恋人同士なんだろうなと思いました(たいてい男性は謝るものなので、Iが男性。プラムを食べられて少し不機嫌になっている、ちょっと可愛らしいyouが女性)。
堀江さんは、もっと細かく読み込んでいて、同棲もしくは結婚生活が始まってばかりの恋人同士だと考えています(I は男性。プラムが女性的なものだと捉えて、プラムを冷やしていた you は女性)。
一方で、堀江さんが尋ねた20歳以下の生徒たちは「兄弟・姉妹」「親子」だと捉えています。

実際、どんな関係でもあてはまります。
逆に、自分の環境というか、立場でこの詩を捉えることになるとも言えるのかもしれません。
兄弟や姉妹と同じ家で生活をしていれば、登場人物の関係は自然と兄弟姉妹と捉えることになるのかもしれない。
一人っ子で親と生活していれば、もしくは親と幼児のやりとりをよく目にする生活をしていれば、自然と親子と捉えることになるのかもしれない。
独り暮らしをしていて、朝のプラムのやりとりどうこうする可能性があるのが、恋人しかいない場合は(そんなことしたことないけど)、恋人だと捉えるのかもしれない。
夫婦ならば…どうなんでしょうね。おじいちゃんおばあちゃんとかならどう捉えるんだろう。

言葉は、いろんな意味で捉えることができるけれど、
自分たちは、個人の立場で無意識にその言葉の意味を絞って、他の可能性を切り捨ててしまっていることが、多くあるのかもしれません。
当たり前といえば当たり前で、だからおもしろいんだろうけど。
なんか少し、不思議な、なんといっていいのやらな気分になりました。

あと、この詩のリズムすごく好き。
by kobaso | 2012-02-10 21:11 | 読書小話