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表浜アカウミガメ産卵報告

合宿報告第2弾ということで、表浜(愛知県豊橋市)でのアカウミガメ産卵について報告したいと思います。

もともと、表浜調査は、アカウミガメの産卵跡が見れたらいいなぐらいの気持ちで、
前の日に名古屋港に行った人のうち、希望者だけが参加するというものでした。
当日は、かめ研メンバー4人(私含め)、桜ケ丘高校生物部(地元でウミガメについて勉強している部活)3人、表浜ネットワーク(NPOウミガメ保全団体の一)の方2人が参加。
早朝起床し、SKBさんの運転する車で表浜まで移動。
戦々恐々としながら移動。
身を震わせながらの移動。
なんせ、私ってドジなのトークをさんざん聞かされたあとのことでしたから。
そして実際、いかに彼女が天然かということを知っていますから。
真夜中なのに、「行く場所?緑の家だよ。」などと言って、
家の色を手がかりに探してしまうような人です。
全部真っ黒だから。SKBさん。
カナヘビが目の前を通り過ぎた時、さっと地面に這いつくばって、驚くほど俊敏な動き、華麗な手さばきでカナヘビを捕まえ、
「ほら。」と言って嬉しそうにカナヘビを見せてくれるような人です。
「ほら。」じゃないから。SKBさん。まぁ確かに可愛いけど。カナヘビ。
いまや私のなかでは、変人四天王のうちの1人となっています。
誤解を招かないようにつけたしておきますが、人間変わっている方がいいと思うし、彼女のカメに関する知識は半端ないので、大変尊敬しております。ええ。もちろんですとも。

えっと、話がそれました。
結局何事もなく砂浜につき、
早朝3時半からひたすら砂浜を歩きました。
星明かりがきれいで何ともロマンティックな光景でした。
しばらく歩くうち(5時くらい?)に、表浜ネットワークのTさんが産卵中のアカウミガメを発見。
段階としては、産卵終盤の、カモフラージュという、産んだ卵を埋める段階になっていましたが、
ウミガメの産卵を見られること自体、滅多にないことです。
しかも、普段は野生の死んだカメ、ガスがパンパンに充満して、もの凄い臭気を発しているカメしか見ていないので、もうね、生きてる野生のカメを見られたってことだけで感動でした。
テンションはかなり上がっていましたが、大きな音をたてないように気をつけながら観察しました。

表浜アカウミガメ産卵報告_b0180288_947204.jpg

↑ばさっばさっと力強く砂を蹴るカメ。

この行動は6時ころまで続き、太陽が顔を見せ始めたころ、カメは海へと歩き始めました。

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↑移動中のカメ。アカウミガメは英名で"Loggerhead turtle"といい、頭が大きいのが特徴です。

表浜アカウミガメ産卵報告_b0180288_9585729.jpg

↑アカウミガメの足跡。種によって手の動かし方が異なるので、足跡を見るだけでカメの種類がわかります。アカは右手・左手を交互に動かすので、このような足跡になります。

カメが海に帰ったあと、産卵巣を手で掘り返して卵があるかどうか確認しました。
そのとき、ちょうど携帯の充電が切れてしまったので、写真に収められなかったことが残念でなりませんが、サイズも柔らかさも、本当にピンポン玉のような卵でした。

普通、ウミガメの産卵は、もっと夜中の午前2時ごろに行われますが、今回のように朝型のカメが近年増えてきているようです。
また、このカメは曲甲長78cmと小さかったのですが、これも最近の傾向なのだそうです。
それが良い事なのか悪いことなのか断定はできませんが、なぜそうなっているのかは疑問点として残りました。

表浜の(ある程度)理想的な砂浜の環境、それに比べてかめ研がフィールドとしている平砂浦(千葉・館山)の砂浜の環境はどうか。砂浜の減少を考える上で何が大切か、ウミガメを考える意義はどこにあるのか等、いろいろと勉強になる合宿でした。
このブログのなかでも、それらのことについてもう少し考えを深めてから、ぼちぼちと書いていくつもりです。

※なお、産卵の写真はmixiのほうにもアップしてあります(上に載せた写真以外もアップしてあります)。
by kobaso | 2009-08-07 10:08 | 生物小話
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