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トイレット

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オタクで少し冷淡で、でも正義感はこれでも一応ある次男、才能はあるけどパニック症候群の長男、ちょっと人を見下す癖がある生意気な長女、そんなアメリカ人3兄妹の母親がある日、亡くなった。母が残したものは、猫の「センセー」、少しの財産、家、そして日本から呼び寄せた祖母だった…。

邦画にも関わらず、日本の役者はもたいまさこただ一人(エキストラで少しいたかな)。出てくる日本語は「センセー」「ばーちゃん」「スシ」「ギョーザ」の4つだけっていう、とても斬新な邦画。「かもめ食堂」「プール」「めがね」の荻上監督作品です。

荻上監督の作品は、きれいな空間と、おいしそうなご飯と、小林聡美の雰囲気が好きで観ているつもりだったのですが、どうも、それだけではないようです。
なんだろう、くすくす笑いかな。くすくす笑いが気持ち良いのかもしれません。
なんか、こう、生活の中で「くすっ」て笑うと、ちょっと幸せになった気がしませんか。
お笑い番組を見ている時のような笑いじゃなくて、ほんとに、些細なことにちょっとだけ笑ってしまう感覚。
あの感覚が、荻上監督の作品には詰まっているのかもしれません。
いろんなことが「ちょっと」面白くて「ちょっと」悲しい。
「ちょっと」幸せな気分になれるところがたまらなく良いです。

あと、「トイレって文化なのか!!!!!」って思いました。
トイレについて考えさせられるよ。この映画。ほんと。
くだらないけど、すっごく気になる。
和式便器って、なんであの形になったんですかね。なんで西洋式の形にはならなかったんだろう。ちょっと前までずっと。日本人には、椅子みたいな姿勢で座る慣習がなかったから…かな…?
あと、TOTOすごいね。

「かもめ食堂」ではおにぎりが、「プール」では揚げバナナが食べたくなった僕ですが、「トイレット」では餃子が食べたくなりました。ちゃんと種から作ったやつ。包み方にその人の個性がでるような手作りの餃子。

そして、やっぱりもたいまさこがすごい。

良い映画でした。
by kobaso | 2011-09-27 01:13 | 映画小話
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