1週間の特別休暇を得ることができる。死刑囚の死刑執行を執り行うことと引き換えに。
全体を通して、静かな映画。
映画みたいな小説ってあるけれど、これは小説みたいな映画。
死刑についての是否を問う作品にも見ようによっては見えるのかもしれないけれど、僕はそうは思いませんでした。
何を問うているわけでもなく、ただただ人が生きていく姿、死んでいく姿を映しているように、思えました。
死刑囚の金田(西島秀俊)は、まるで模範囚で大人しいけれど、そしてこの映画では映し出されないけれど、死刑になるほどの罪を犯しているんだよね。そして、そのことを悔いているのかどうかも判然としない。
彼は独房の中で、何を支えに生きていたんだろう。ただひたすらに絵を描いて、そこに何を見ていたんだろう。
金田がフェンスごしに、晴れた空を眩しそうに見上げる姿が、とても印象的でした。