コドモノセカイ

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コドモノセカイ / 岸本佐知子 編訳/ 河出書房新社

『さっき、みんながわたしに教えられることはもう何もないって言ったでしょう。そのとおりなのかも。わたしはあなたたち一人ひとりから、この世界に本で知って、本で探検できないことは一つもないことを教わった ー ただ一つ、世界を除いては』


僕は子どもも好きだけれど、
それ以上に子ども時代が好きです。

まだ自分が何者なのかもわからずに、
不安も嫌悪も安らぎも喜びも
目まぐるしいくらいに頭の中を駆け巡る時代。
まだ社会の何たるかを知らず、自由な妄想が頭を駆け巡る時代。
とか言って、大人になった今でも社会の何たるかなんて、わからないけどね。
でも、馬鹿馬鹿しいまでに妄想は自由で、今以上にひとりあそびが得意だった。

自転車に乗って生け垣すれすれを全速力で飛ばして、ひとりスターウォーズごっこもできたし、
水槽を眺めて水中に潜ることもできた。
戦国武将にだってなれたし、
野球選手になって大活躍もできた。

勝手に自分の決めた世界で暴れまわれた。
なにもかも、自分の都合の良いように。

澄まし顔で学校の授業を受けながら、
頭の中はそんなことばかりでした。

歳を重ねて、ひとりあそびが少し苦手になりました。
まだ妄想で遊ぶこともあるけれど、
長くその中に留まれない。
本の力を借りないと、現実以外の世界を作れなくなった。

仕事もね、大人ばかりを相手にしていると、
子どもが使う本を作る仕事をしているということを忘れがちになる。
出張先で、髪の毛を真っ茶色に染めた子や、まじめそうに挨拶する子を目にすると、はっとします。
この子たちの頭の中には、どんな風景があるのだろう。

by kobaso | 2015-11-28 16:35
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